ぶうこ界
あれから2週間。
苦しくて、苦しくてたまらなかった7日間。
朝晩、泣きながら、1時間弱の車通勤でした。
ぶうこの食慾が落ちてきたころ、車で聞いていた曲が
今井美樹の「祈り」「ひとひら」でした。
ぶうことの別れを、無理やり覚悟しようとしていました。
一方、ぶうこは、ゆっくりと準備をしていました。
どこまでも歩けると思ったころ、
ぶうこの1日2回の散歩は、1回で2.3キロ(40分)。
やがて、「行きたくない」の意思表示をするようになり
心臓病がわかると、
2キロになり
1年前の冬は1キロを切り、0.6キロ(10分)に。
秋からは、300mほどになり
両隣のお宅の前に行ってもどるの、が今年の定番でした。
僧帽弁閉鎖不全症(心臓病)がわかったとき、私は初めて泣きました。
それから、半年ごとに検査を受け
心臓肥大が起こっているとわかったとき
お尻のデキモノが、悪性かもしれないと言われたとき
食慾がなくなって血液検査をしたけれど、測定不能だったとき
私は、こっそり泣きました。
「悲しい気持ちは、ぶうこにわかるよ。」
と、某ママさんが言っていたからです。
ぶうこの衰える様子に、ショックを受けながら
ぶうこの前では、明るく振舞いました。
しかし、不覚にも、ぶうこの前で一度だけ泣いてしまい
鼻水が、ぶうこのおでこに・・・申し訳ないことをしました。
ぶうこがいなくなった数日後
「ぶうこ、今ごろ、どこにいるのかな?」
と、つぶやくと、ダンナ隊員に
「ここにいるよ。」と、言われて愕然としました。
私には、目の前の金色の箱の中に、ぶうこがいるとは思えませんでした。
朝起きて、「ぶうたん、おはよう」
出かける前に「ぶうたん、行ってくるね」
お風呂に入るときも、声をかけ、箱に触れていましたが
最近、よいことに気がつきました。
ピンクのぶたさん!
背中の感じが、ぶうこのおでこにそっくりなのです
手のひらを丸めて、そっとぶたさんに乗せると
あぁ〜ぶうこ〜
先日の夕方、車を運転していたら、何かの気配を感じました。
ふと、横を見ると、真っ赤な夕日が覗きこんでいました。
数日後、また気配を感じて、バックミラーを見ると
まんまる夕日が、映っていました。
夕日が笑っていました。
その昔、「まんげつポン」と呼ばれたぶうこ。
今度は、まんまる太陽です。