20車嫌い
ぶうこ覚書
ぶうこのできごとを、コラムでつづります
22すりすりの意味
初めて、すりすり姿を見たとき、ぶうこが、変になったかと思いました。犬のベテラン友人に聞いたら、「ミミズの死骸の上で、においつけをすることがあるよ。」と教えてくれました。背中がミミズ臭くならないように、気をつけなければ、と思いました。それからしばらく、すりすりはしませんでした。
その2年後。新潟は大雪でした。年に一度、あるかないかの、しみ渡りの日。(固くしまった雪の上を、もぐらずに歩ける日があるのです)スタスタ歩いていたぶうこが、突然、雪の上ですりすりしました。雪の上には、ミミズはいないし、何もありません 。これは、いったいなんの意味?
春。公園へ行くと、芝生の上で、草むらの中で、ぶうこは、ス〜と滑り込んで背中をもぞもぞ動かしていました。とてもご機嫌でした。何か虫がいるのでは?臭いものがあるのでは、と探してみましたが、わかりません。 乾燥した草の上だけでなく、湿った土の上でも、汚れを気にせず、やっていました。(涙)
夏の長野。八ヶ岳自然園で、数匹のわんこが遊んでいるドッグランの周りを歩いていたときです。ぶうこは、ドッグランをパスしたい様子で、先へとぐいぐい行きました。そして、きれいな芝生のところまで来ると、やおら勢いをつけて、芝生にダイブ!前回りで滑り込みました。それから、上半身を起こしたり、くねらせたりしてご満悦。何度も繰り返し、その場に居続けました。
農業大学校の広大な草原でも、飛び込んでいました。気持ちよさそうな草地を、ぶうこは見逃しません。特に、長時間ドライブで、車から降りた直後は、必ずといっていいほど、すりすりします 。
私が想像する、ぶうこのすりすりの理由は4つです 。
気入った広い草地や、地面があるから 。
楽しい気分だから 。
進行方向へ行きたくないから。(ぶうこの主張。だだこね。)
魅力的なにおいをつけたいから。
すりすりは、次第にその速度を増してゆきました。バリェーションも、増えました。 地面に寄り添うように滑り込む形に加え、前転からのすりすりも開発。その後、傾斜地で転がり落ちる楽しみを発見 。
傾斜が緩やかなところでは、途中で停止。そのあと、後ろ脚で、地面をけりながらすりすり移動。急なところでは、後方確認をしつつ、ギリギリのところで、ブレーキかけて起き上がり、スリルを楽しんで?います 。
縁石の手前で見事に停止。パッと身をひるがえしたときの表情に、ぶうこの自信すら感じます。
以前は、スピードだけを楽しんでいたぶうこも、近年は、空を見上げ静止する時間にも、その意義を感じています。自らの犬生について想いをめぐらせているのでしょうか。それとも、農業大学校で食べたソフトクリームのことでしょうか。なんともいえない表情をしています。また、停止時には、カメラ目線のサービスもあります 。
先日、動物病院でワクチン接種をした帰りも、気晴らしに寄った公園で、すりすりしました。しかし、いつもと比べえると、とてもゆっくりです。まるで、スローモーションを見ているようでした。たぶん、ワクチンで弱っていたのでしょう。
ふと、ぶうこは、いつまで、すりすりをするのだろう?足腰が弱ったら、すりすりして移動するのだろうか。
そんなことを思いながら、初めてのすりすり写真から、現在までを、
「すりすり列伝2007」に、まとめてみました。
(2007年4月)