16見返り

ぶうこ覚書

ぶうこのできごとを、コラムでつづります

16見返りぶうこ

 ぶうこを見ていて、思わず、ひとりでニッコリすることがあります。家のなかで飼うようになってから、何考えてるのだろうとぶうこを観察する機会が増えました。

見返りぶうこ じぃ〜と、ぶうこを見ているとぶうこと目が合います。 そのとき「おっ、ぶうこ」などと反応してしまうとすかさず、ぶうこは、立ち上がりすたすたと近寄ってきます。


ぶうこ 私たちが、ぶうこを見ているようにぶうこも、じーっと私たちを見ているのです。


ぶうこ 私が、一番好きなぶうこの姿はこれです。山のぶうこは、伸び縮みするロングリードで。先を進むことが多いです。そして、ときおりちらっと後ろを振り返ります。それは、一瞬のことが多いのでシャッターが、なかなか間に合いません。


ぶうこ 振り返ったぶうこの顔は大好きな山のせいでしょう。うれしそうです。つられて私も、ゼイゼイしながらニッコリ。そのときのぶうこの顔は「大丈夫。ついてこれる?」と言ってるようにも「早く来てよー。遅いんだから〜」と、言っているようにも見えますが、この顔見るとうれしくなるのです。


ぶうこ 振り返るぶうこの姿を、我が家では「見返りぶうこ」と呼んでいます。京都東山の永観堂に見返り阿弥陀と呼ばれる仏像があります。首をひねって後ろを振り返った姿をしています。それは、修行している永観の前に阿弥陀如来が先導に現れ「永観遅し」と、振り返って声をかけたときの姿だそうです。

 日に日に、親ばかになってゆく私です。(2004年1月)